Mayuraの日記を読んで思ったこと:はてなのキャズム

Mayuraさんの使われているブラウザはSleipnirでしょうか?私はSleipnirを使い始めてからはてなを使うようになったクチなのですが、はてなブックマークを導入しようとした際、Sleipnirで使えるのか使えないのか分からず戸惑った経験があります。はてなのヘルプを読んでも欲しい回答が見つからなかったので、ググって調べたところ、すぐに見つかりました。
あっさりと見つかったので、はてなに対してもちょっと「とっつきにくいなあ」という印象を受けながらもそういう会社なんだろう、と特に気にすることもなかったのですが、Mayuraの日記を読んで、Mayuraさんのようなユーザーを取り込めるかどうかが、はてなが今後キャズムを超えられるかどうかの分かれ目のように思いました。
キャズムというのは、ハイテクマーケティングの概念です。同名の本では、顧客を

  • イノベーター(ハイテクオタク)
  • アーリー・アダプター(ビジョナリー)
  • アーリーマジョリティー(実利主義者)
  • レイト・マジョリティー(保守派)
  • ラガード(ハイテク嫌い)

に分け、ハイテク製品がヒットするか否かはアーリー・アダプター(ビジョナリー)とアーリーマジョリティー(実利主義者)の間に存在する谷(キャズム)を越える必要がある、ということが述べられています。その上で、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティーの違いについては、おおよそ次のように述べています。

  • アーリー・アダプターの特徴
    • 求めるのはブレークスルー
    • デバッグなどの苦労もいとわない
    • 先行事例と成りたがる(自社が先鋭的企業であると言うことを知らしめる広告手段)
    • 業界を超えて気の合うもの同士で行動
  • アーリー・マジョリティーの特徴
    • 求めるのは進歩(現状の延長的な改善)
    • 手厚いサポートを求める
    • 成功した先行事例があって初めて購入する
    • 業界内で行動

はてなが不親切かどうかは分かりませんが、サポートが手厚いか、と言われるとうなづけません。これを放置して「チミはナニか、グーグルからアク禁でも喰らっているのか?」とか「SleipnirがダメならIEを使えばいいじゃない。」というような理屈で片付けてしまうと、手厚いサポートを求めるアーリー・マジョリティを見放し、キャズムの谷に落ちてしまう結果になりかねません。
しかしながら、はてなのとっつきにくさ・不完全さがある種の魅力となっている面もあります。初心者に分かりやすくするあまり、はてなのわけの分からなさを削いでしまうと、はてなの面白さも削いでしまいます。
では、両者を両立させるにはどうしたらよいのでしょうか?思いつく限りでは、「初心者にも分かりやすいサービス」と「実験的な面白いサービス」を分けて提供が考えられます。後者については「はてラボ」が出てますので、前者の「初心者にも分かりやすいサービス」として「逆はてラボ(サルでも使えるはてな)」を提供するわけです。逆はてラボに慣れてきた人は、自分の判断で通常のはてなに移行する、ということで。あるいは「くだらない質問はここに書き込め」というようなwikiを作るとか。
ただ、すぐ使われなくなるようなサービスに手をかけているとメインのサービスに割く時間がなくなりますし、wikiを作ってもそこが荒れる可能性も考えられますし、どうしたらいいんだどうでもいいか。

参考リンク
Mayuraの日記
チミはナニか、グーグルからアク禁でも喰らっているのか? : 金融日記
砂上のバラック - カーリングおもしろい

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