「ウェブ進化論」を読んでとりとめもなく思ったことをとりとめもなく書く

ウェブ進化論」を読みました。読み終わって感じたのは、この本は、これまでのネットにおける動向のおさらいという面だけでなく、以下の3点を裏テーマとして提起した上でそれらについて述べているのではないか、ということです。

  1. Googleのすごさ。
  2. なぜ、日本にはGoogleが生まれないのか。
  3. 日本にGoogleを生み出すにはどうしたらいいのか。

1.Googleのすごさ。
検索という権力でもって新しいルールを作り、そのルールに乗っ取った新しい経済圏を作り出している点。
※日本の代表的ネット企業である楽天、ヤフー・ジャパンは、リアルでできることをネットでより便利にすると言う、既存ビジネスの延長に留まっている


2.なぜ、日本にはGoogleが生まれないのか。
あとがきより

シリコンバレーにあって日本に無いもの。それは、若い世代の創造性や果敢な行動を刺激する「オプティミズムに支えられたビジョン」である。


3.日本にGoogleを生み出すにはどうしたらいいのか。
日本の次世代の可能性を高める
⇒「日本人一万人・シリコンバレー移住計画」
若者をシリコンバレーに浸からせ、「シリコンバレーで培った個人のネットワークが母国と結びつく頭脳流出ならぬ頭脳還流現象」を起こす。


本の中で梅田さんは淡々と平易な言葉でネットの現状を述べています。それゆえにかえって、読み手は、Googleの強さ・速さにはかなわない気がしてきますし、web2.0と共にやってくる総甲子園地区予選状態に供給者地獄を予期して不安に陥ってしまいます。それでも、読後感が爽やかなのは、梅田さんの「オプティミズムに支えられたビジョン」が文章にこめられているからだと思います。

もちろんウェブ進化についての語り口はいろいろあるだろう。でも私は、そこにオプティミズムを貫いてみたかった。これから直面する難題を創造的に解決する力は、オプティミズムを前提とした試行錯誤以外からは生まれ得ないと信ずるからである。

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*1:迷わず行けよ 行けば分かるさ!